愛知県新城市。駅からのウォーキングコースです。(車でも可)長篠・設楽原の戦いを長篠城址を拠点に鳥居強右衛門と、武田勝頼の本陣や、砦など武田軍目線のルートを巡ります。天然の要害と言われる地形、砦から望む長篠城、武将たちの思いを感じながら歩いてみよう。「あるっぽオリジナル」のルートです。
このルートのお楽しみポイント
歴史 | 博物館 | 自然 | ビュー |
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- 戦国時代好き・歴史好きには最高!
- 日本100名城の1つ、長篠城址では保存館も見学
- 武将たちの思いが詰まるルート
- トイレ・駐車場情報も!
- 実際に歩いたのは 約10Km・2時間40分・13000歩位
- 歩いた時期:11月中旬
長篠・設楽原の戦い①戦国ウォーキングルート
長篠・設楽原の戦いで、今回巡るルートは赤丸で囲んだ部分。長篠城址周辺になります。
JR飯田線・長篠城駅を出発し、まずは長篠城址・保存館を見学、その後、武田軍の武将が設楽原に出撃するまえに決別の盃をかわした盃井戸、武田勝頼本陣跡の医王寺、馬場美濃守信房の墓、鳥居強右衛門の墓、磔碑、中山砦から長篠城駅へ戻るルートです。
地図上のルートでは、約6Km・1時間半のコースですが、長篠城址内、医王寺物見やぐら、中山砦などを歩き回ったり登ったりしたため、実際には約10Km・2時40分・13000歩位になりました。
トイレは、駅・長篠城址の2カ所。馬場美濃守信房の墓から鳥居強右衛門の墓へ行く間にコンビニが1軒ありました(ここで糖分補給のチョコレートを購入)
かわいい!長篠城駅
スタート地点にはピッタリ!JR飯田線・長篠城駅。かわいい!
コンパクトでシンプルな駅ですが、このルートを歩くのにはいい感じの出発点です。
駅のホームはご覧の通り。とってもシンプル
駅を通りぬけると、目の前は住宅が並んでいて、まるで住宅の裏庭の中に駅舎があるような場所です。
駅舎の横は、市の駐車場になっているので、車で来てもここからスタートできますよ(無料)。かわいい駅なので是非きてみてください。
そして、駐車場にはトイレもあります!こぎれいに管理されていました。
長篠城址
駅を出てまずは左方向に長篠城址へ向かいます。途中、搦手門の跡がありました。
現在は長篠城址の中をJRの鉄道が通っています。すぐ奥に線路が見え、すぐ目の前まで行くことができました。
長篠城址の駐車場のあたりに、「さかさ桑」という桑。落ち武者となった武田勝頼にまつわる伝説のようです。こういう地元に伝わる話いいですね。
あの建物の2階が「長篠城址史跡保存館」になっています。1F部分にはトイレあり。
階段横の自動販売機がある場所には、鳥居強右衛門が描かれたロッカーや、日本100名城スタンプが設置されています。ちなみに来場記念スタンプとして鳥居強右衛門はりつけデザインの大きいスタンプもありました。
くっきりと残る内堀。紅葉が色づきはじめていました。
本丸跡地。毎年5月5日に長篠合戦のぼりまつりがあり、ここで火縄銃演武が行われます。
久間山砦・中山砦・鳶ヶ巣砦・姥が懐砦・君が状床砦 武田軍の5つの砦の説明看板。砦を望む。
線路手前で柵があり、木々の向こう側には寒狭川が流れています。上の方を通る道路は、新東名です。対岸には鳥居強右衛門の磔碑があり、ここに説明看板も建てられているので、お城との位置関係がよくわかるようになっています。
長篠城西側、天然の堀の役割をしている「不忍の滝」。
長篠城址史跡保存館には長篠城主・奥平信昌が使用したと言われている籠城の陣太鼓、奥平家の船印家紋、火縄銃や、刀、甲冑、武田実記絵巻なども展示されています。長篠合戦図屏風の複製がありましたが、これを眺めるのが楽しい。どこに誰がいるんだろう・・と。
武田信玄・長篠の籠城戦・鳥居強右衛門・設楽原の決戦・馬場信房などに関する解説や展示品などじっくり見学したいところですが、ウォーキングメインのため早々に出発。
長篠城址史跡保存館 入館料:220円(火曜日・年末年始休館)9:00~17:00まで
長篠城址を出たところで、しんしろ茶を購入。
大通寺杯井・盃井戸
次に向かうのは大通寺。長篠城址から257号線に出て、道路を横断した先にあるお寺。ここを上り、本堂の裏手に盃井戸があります。
設楽原決戦回避の主張も叶わず最期を覚悟した馬場信房、山県昌景、内藤昌豊、土屋昌次ら武田軍の強将が出陣前夜に別れの水盃を酌み交わした泉。今生の別れ・・なんかぐっときました、ここ。
武田勝頼本陣・医王寺
さて、その軍議が行われた武田勝頼本陣のあった医王寺へ。広々とした駐車場があるお寺です。
赤いルートで歩いてきてしまいましたが、戻る際に本堂の横をコソコソ通るような感じだったので、青色ルートでいいと思います。舗装の道と、本堂の方へ進む道が分かれていて迷ったんですけどね・・コソコソ歩いていたらお寺の人に遭ってしまって「こんにちは」と。ちょっと恥ずかしかったのです。
看板があるのでわかりやすいです。ここから山道を登ります。境内図では物見やぐらまで10分と。
息を切らせて登った甲斐あり。
やぐらの上から眺めてみると、5砦の方の山々がよく見えます。
ここにも解説する看板がありました。長篠城址周辺は看板や解説が多くて助かります。ついつい読んでしまいますが・・・ううっ。盃井戸からのこの看板、ちょっと泣かされます。
勝頼にとってここ医王寺は、4つの本陣の中で唯一、勝利を夢見、幸せなときを刻んだ場所だったのかもしれません。
長篠・森の小路の会 看板より
駐車場のあたりにあった「長篠の戦い」歴史探訪コースの看板にも、決戦前夜に勝頼の枕元に現れた白髪の老人の話が書いてありますので、読んでみてください。武田勝頼の思いを感じる伝説です。
馬場美濃守信房の墓
水盃を酌み交わし最期を覚悟していた馬場信房のお墓へ。民家の庭先のような細い道から、畑の横を失礼してたどり着きます。
しんがりを務め勝頼が退却するのを見届けた馬場信房の首を埋めたと言われている場所。
鳥居強右衛門
257号線を歩き、長篠大橋を渡ります。渡った先の交差点を左折しますが、右側にコンビニがあります。ここから先は、駅へ戻るまでトイレもコンビニもありません。
第二東名を見上げながら、きれいな開けた横の道を歩くと「新昌寺」に着きます。
- 長篠城主奥平家の家臣であった足軽の鳥居強右衛門
- 籠城が長引き落城寸前、岡崎の家康に援軍を要請するために命がけで城を抜け出す
- 川を潜り包囲網を突破、無事に岡崎城へたどり着く
- 援軍が来るという朗報を伝えるために長篠城へ戻る途中、武田兵に捕まる
- 援軍は来ないと言えば助ける、と言われるが・・・
- 「間もなく援軍は来る、それまで持ちこたえるように」と城へ向かい叫ぶ!
- 強右衛門磔にされる
- 鳥居強右衛門の決死の報告で籠城は持ちこたえることができた
というのが、ざっくりし過ぎな鳥居強右衛門についての説明です。長篠城址入口の看板、磔の鳥居強右衛門の姿が強烈ですが、ストーリーを知るとカッコイイ!英雄です。
鳥居強右衛門の磔石碑
磔の石碑があるのは、これまた畑の横を失礼します・・と入っていった突き当りの場所。正面林の向こう側が寒狭川でその向こうに長篠城があります。
石碑。磔伝承地はここからさらに東、牛渕橋に近い方向です。
牛渕橋から望む長篠城
なぜかGoogle map では徒歩でこの橋を渡れず、マップが分割されてしまいましたが、歩いて渡れます。
牛渕橋の中央付近から見る長篠城址の地形。東は宇連川と西に寒狭川の断崖に囲まれているのがよくわかる場所です。長篠城址ビュースポット
中山砦
牛渕橋を渡り、新東名高速高架橋の麓から坂道を歩き、カーブを曲がると正面に長い階段が現われます。
頑張って階段を上ると中山砦史蹟公園。212段!8階建てビルの屋上の高さへいざ!
一気に登りました!と言いたいところですが、ゼーゼー言いながら途中休憩を含めて何とか。キツー!
階段を上ると高速道路より少し高い位置に辿り着き、高速を走る車を見下ろす場所に石碑と物見やぐらが建っています。高速道路建設で中山砦は無くなってしまったので、この公園が造られたようです。こんな風に少しずつ無くなってしまうんだなと残念な気分。
やぐらの上からの眺め。矢印のあたりが長篠城址本丸かな?
時間と体力があれば、鳶ヶ巣山砦跡へ行ってもいいかも。牛渕橋を渡ったあたりから、20分ほどで行けるようですよ。
長篠城駅へ
橋が少なく対岸へ行くのには大回り。宇連川を渡り、逆方向から駅へ戻ります。
到着。飯田線の車両と長篠城駅
まとめ
- 長篠城駅から長篠城址、大通寺、医王寺、馬場美濃守信房の墓、鳥居強右衛門の墓、磔碑、中山砦を歩き約10Km・2時40分・13000歩位
- 本陣と中山砦で物見やぐらまで登り頑張った感あり!
- やっぱ歴史っていい!
戦国時代を生きた人たちの思いを感じるちょっと泣きそうなウォーキングコースでした。