三井寺(園城寺)と紫式部の関係としては、紫式部の没後に、父・藤原為時が出家した寺として知られています。
親戚の中でも、母の兄弟と異母兄弟である為時の息子が三井寺の僧であり、紫式部とは縁の深い寺でもありました。
三井寺は、国宝・金堂をはじめ、日本三名鐘に数えられる鐘楼、重要文化財に指定される8件の建造物などの見どころに加え、桜の名所となっている寺で数多くの人が参拝に訪れます。
三井寺
見どころ・おすすめの参拝コース
- 仁王門(重要文化財)
- 釈迦堂(重要文化財)
- 金堂(本堂・国宝)
- 鐘楼(三井晩鐘・重要文化財)
- 閼伽井屋(三井の霊泉・重要文化財)
- 霊鐘堂(弁慶の引摺り鐘・重要文化財)
- 一切経蔵(重要文化財)
- 唐院(重要文化財)
- 微妙寺
- 文化財収蔵庫(狩野光信の障壁画・重要文化財など)※特別拝観料が必要
- 毘沙門堂(重要文化財)
- 西国十四番札所観音堂(県指定文化財)
- 水観寺(県指定文化財)
- 護法善神堂(千団子社・市指定文化財)
見どころ・おすすめの参拝コースを見ての通り、貴重な建造物の数々に、収蔵庫では障壁画や仏像なども鑑賞できる、ゆっくりと歩いてみたい参拝コースです。
所要時間は、最低でも1時間は欲しいと感じました。
最初に目にするのが仁王門(重要文化財)。
徳川家康寄進の山門です。もとは常楽寺の門でしたが豊臣秀吉が伏見城に移し、それが1601年に徳川家康によって三井寺に寄進され現在にいたります。
室町時代1452年に建築された桜門は、檜皮葺と言われるヒノキの皮を用いて施工される伝統的な屋根をもち、門の両脇に安置された金剛力士像が、山内を守護しています。
桜、新緑、紅葉、雪景色と季節により違う表情を見せてくれる仁王門が、訪れる人を迎えてくれます。
清凉寺式釈迦如来像が祀られている釈迦堂(重要文化財)は、室町初期の建築。1830年に唐破風の向拝が増築されました。
中世の大寺院にあった僧たちの「食堂」の様式を今に伝えています。
三井寺の総本堂である金堂(国宝)
七世紀に創建されて以来、焼失と再建を繰り返してきましたが、現在の金堂は、1599年に北政所(豊臣秀吉の正室)によって再建されたものです。
桃山時代を代表する名建築がここにあります。
天智天皇が信仰されていた本尊の弥勒仏が安置されています。
正面にあるのは「三井寺金堂 無名指燈籠」と呼ばれている燈籠です。
大化の改新で蘇我一族を誅した罪障消滅のために、天智天皇が自らの薬指(無名指)を切り、燈籠下に納めたと伝えられているのだとか。
なんかもう、現実味があって、ものすごい歴史を感じますね。
鐘楼・三井晩鐘(重要文化財)
1602年桃山時代に建立された鐘楼。
鐘楼内部に吊るされているのは、近江八景「三井の晩鐘」で知られる巨大な梵鐘。
その音色の美しさから「日本三名鐘」のひとつに数えられます。
閼伽井屋(三井の霊泉・重要文化財)
金堂西側奥に金堂と接して建つ閼伽井屋の内部には、天智天皇・天武天皇・持統天皇の三天皇が産湯に用いられたとされる泉が湧いています。
三井寺の由来となった「霊泉」
閼伽井屋の正面には、有名な左甚五郎作と言われる「龍の彫刻」があり、この龍が夜になると琵琶湖に出て暴れたため、、甚五郎は龍の目玉に五寸釘を打ち込んで鎮めたという伝説が残されています。
霊鐘堂(弁慶の引摺り鐘・重要文化財)
奈良時代に制作された重要文化財の梵鐘です。
この鐘を三井寺から奪った武蔵坊弁慶が、比叡山へと引き摺り上げたという伝説が知られています。
唐院四脚門
聖域への入口として雰囲気をかもし出す、門前の石畳の参道と灯籠。
唐院(重要文化財)
大師堂は、三井寺の開祖・智証大師の御廟として最も神聖な場所。1598年に再建され、堂内には智証大師坐像二体(国宝)と黄不動尊立像(重要文化財)の計三体の彫像が安置されています。
三重塔は、総高は約25メートル室町初期の建築で、徳川家康寄進によるもの。
唐院潅頂堂は、三井流密教の伝法道場となっています。
小堂ながらも目を引いたのが毘沙門堂(重要文化財)
毘沙門堂は1616年の建立で極彩色の優美な建築です。1989年に彩色が復元されました。
文化財収蔵庫では桃山絵画の最高傑作とされる国宝・勧学院客殿の狩野光信筆の襖絵、仏像などの重要文化財が多数収蔵、展示されています。
個人的には、 四季花木図 (勧学院一之間障壁画及び襖絵 狩野光信筆)がよかったですね。
それから、訶梨帝母倚像(かりていもいぞう)がとても気になりました。
幼児を抱いている像で、釈迦によって改心し、子供の守護神となった女神なんだそうです。いままでには見たことのない仏像のタイプでとても印象に残っています。
鎌倉時代のもので重要文化財
貴重な展示品を、静かにゆっくりと鑑賞できました。
お茶やスイーツが楽しめる
お休み処 ながら茶房 本寿院
庭園を眺めながらお茶を愉しむ茶房では、スイーツや、日本五大銘茶の一つ「近江朝宮茶」なども。
カフェ・カンノン
滋賀県のお米と大納言あずきを使用した手作りのおはぎと、芳醇なロンネフェルトの紅茶で。
大河ドラマ「光る君へ」放映記念 「紫式部と三井寺」展
2024年1月29日~7月31日(前期)・2024年10月1日~2025年1月31日(後期)
入館無料(入山料は必要)・8:00-17:00(最終受付16:30)
本堂・金堂にて三井寺所蔵の紫式部に関連する品が初公開!
- 寺門伝法灌頂血脈
- 源氏物語湖月抄
- 和本「大宝百人一首紅葉錦」
- 観世流大成版 謡本 源氏供養
- 小倉百人一首
貴重な展示が見られるチャンスです!
三井寺
拝観時間/8:00 ~ 17:00(受付終了16:30)年中無休
- 入山料/大人:600円 | 中高生:300円 | 小学生:200円
- 団体割引(30名以上)として、各入山料金より50円引
- 障害者手帳提示にて本人のみ拝観料免除
文化財収蔵庫 8:30 ~ 16:30(受付終了16:00)
- 三井寺まる得入山券(入山料+文化財収蔵庫入館) 800円
※チケットの後ろに お休み処ながら茶房本寿院割引券(100円OFF) が付いてます♪
駐車場:あり
- 料金:大型バス:2,000円 | マイクロバス|1,500円 | 普通車|500円
アクセス
- 京阪石山坂本線 三井寺駅より徒歩7分
- 京阪石山坂本線 大津市役所前駅より徒歩12分
- JR東海道本線(琵琶湖線)大津駅 または JR湖西線大津京駅より 京阪バス三井寺下車すぐ
- 名神高速道路 大津I.Cより 湖岸道路経由約10分
- 国道1号線より 国道16号線経由約10分
住所 滋賀県大津市園城寺町246